アレッジド・ギャラリー
- Alleged Gallery
- 更新日
- 2024年03月11日
ニューヨーク市イースト・ヴィレッジにアーロン・ローズが創設したアート・ギャラリー。1992年にオープンし、2002年に閉鎖するまで多くのストリート・アーティストを世に紹介したことで知られる。1980年代にキース・ヘリングやジャン=ミシェル・バスキアが登場したものの、それ以降しばらくは、ストリート・カルチャーのなかから現われたアーティストが大きな注目を集めることはなかった。しかし90年代を通して、新しい動向の素地は準備されていたと言えよう。アレッジド・ギャラリーがニューヨークの水面下で活動した10年間は、2000年代に入ってからグローバルな展開を迎える。04年にオハイオ州シンシナティ市のコンテンポラリー・アートセンター、06年にミラノ・トリエンナーレ(イタリア)、08年に東京・ラフォーレ原宿で開催されるなど世界中を巡回したローズ企画の展覧会「ビューティフル・ルーザーズ」は大きな話題を呼び、同展開催までの軌跡を追ったドキュメンタリー映画も製作された。これら一連の流れはアレッジド・ギャラリーを中心に形成されたコミュニティから生まれており、そこに加わったクリス・ヨハンセン、シェパード・フェアリー、スティーヴン・ “エスポ”・パワーズ、トーマス・キャンベル、バリー・マッギー、ハーモニー・コリン、マイク・ミルズ、マーガレット・キルガレンらは現在、アーティストや映像作家として世界的な評価を得ている。
補足情報
参考文献
Young,Sleek,and Full of Hell: Ten Years of New York’s Alleged Gallery,Aaron Rose ed.
Beautiful Losers: Contemporary Art and Street Culture,(2nd edition),Aaron Rose et al.,Distributed Art Pub Inc (Dap)
アゲインスト・リテラシー ─グラフィティ文化論,大山エンリコイサム,LIXIL出版,2015