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幾何学

Geometry
更新日
2024年03月11日

学問としての幾何学は、古代ギリシャ時代に学問として研究され、中世ヨーロッパではいわゆる自由七科の一科目として確立した。美術作品やデザインにおける幾何学の初期の例として、新石器時代に東方諸国、特に北部メソポタミア地域でつくられた陶器類に、幾何学模様として図形を使ったデザインが見られる。こうした多角形や円を要素として用いた造形の例は、歴史上多く見られる。例えばイスラム文化圏で見られるモスクのアラビア模様は、幾何学模様をパターン化したタイルで成立している。ギリシャ時代には黄金分割(率)でピラミッドや彫像がつくられた。中世から近代に描かれた絵画も、円や矩形をもとに画面構成が試みられた。モンドリアンの「コンポジション」は、画面をグリッド状に分割しただけである。それとほぼ同時代のキュビスムは、二次元である平面(絵画)で三次元の表現を試みたものである。現代においては、フラクタルと呼ばれる再帰的な概念が提唱されるようになり、アルゴリズムの研究も進んだことで、CGによってそれを具現化できるようになった。そして、幾何学はヴィジュアル・アートとして視覚化されるだけにはとどまらない。現代音楽やサウンド・アートにおいては、音のひとつひとつを図形や座標に配置して作曲した作品も少なくない。

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参考文献

『graphic design 視覚伝達デザイン基礎』,新島実監修,武蔵野美術大学出版局,2004
『美の中の対称性 数学からみる自然と芸術』,新井朝雄,日本評論社,2009
『美の構成学 バウハウスからフラクタルまで』,三井秀樹,中公新書,1996