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「キュビスムと抽象芸術」展 

“Cubism and Abstract Art”
更新日
2024年03月11日

1936年にニューヨーク近代美術館で同館ディレクターのアルフレッド・バーJr.により開催された企画展。キュビスムからヨーロッパの抽象美術のさまざまな動向(未来派、デ・ステイル、構成主義など)に至る展開を歴史主義的に回顧することを目的として開催された。36年は、いまだアメリカの抽象表現主義が台頭する以前の時期にあたるが、第一次大戦前後をもって一度は終息に向かった抽象芸術の史的展開を整理する意味でバーが作成した「モダン・アートの系譜図」は、この展覧会のカタログの表紙に印刷されたものである。系統樹的に生成するモダニズムの発展史観を如実に示すこのダイアグラムはその後多くの場所で批判の対象となった。展覧会ではピカソ、ブラックから、ドローネー、カンディンスキー、モンドリアン、ミロの絵画をはじめ建築、映像、デザインなどが展示されたが、最終的に抽象芸術は「幾何学的抽象」と「非幾何学的抽象」という二つの様式に至るというバーのダイアグラムは、国家間の対立を止揚し、インターナショナルな様式としてさまざまな前衛芸術を統合しようと意図するものであり、とりわけニューヨーク近代美術館という場所において強い象徴性を帯びることになった。

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参考文献

Cubism and abstract art: painting,sculpture,constructions,photography,architecture