近代建築の五原則
- Cinq points de l'architecture moderne(仏)
- 更新日
- 2024年03月11日
近代建築の発達に大きな影響を与えた、ル・コルビュジエが設定した近代建築の5つの原則。1927年、アルフレッド・ロートの『Zwei Wohnhäuser von Le Corbusier und Pierre Jeanneret』の序文にて初めて発表された。20年代から30年代にかけて、ル・コルビュジエはこの5つの要素、「ピロティ」「自由な平面」「自由な立面」「独立骨組みによる水平連続窓」「屋上庭園」を発展させていくことになる。まず最初に、ル・コルビュジエは鉄筋コンクリートを使用し、構造体を地上から切り離し、柱が構造的に建築を支えることで、構造のための壁を考えることなく自由に部屋を配置できる「自由な平面」と、構造壁ではなく建築家による意匠的な意思だけでつくることができる「自由な立面」を獲得した。それは《サヴォア邸》(1931)で特徴的に見られるように、何の障害もなく周囲の眺望を得ることができる「水平連続窓」の実現につながり、最後に、建築をつくることでその場所からなくなってしまった植物を、代わりに屋上に配置する「屋上庭園」を用意した。実際の建築においては、《クック邸》(1926)で初めて5つの要素が実現し、《サヴォア邸》で明確に表現されている。
補足情報
参考文献
『ル・コルビュジエの勇気ある住宅』,安藤忠雄,新潮社,2004
『ル・コルビュジエの生涯 建築とその神話』,スタニスラウス・フォン・モース,彰国社,1984