アートスケープ since 1995

ゲティ・ヴィラとともにジャン・ポール・ゲティ美術館を構成する複合文化施設。1997年12月開館。カリフォルニア州ロサンゼルス市サンタモニカの丘の上に位置する。石油王Ｊ・Ｐ・ゲティは54年に海側のパシフィック・パリセードの自邸にギャラリーを設置したが、コレクション増加のため74年に敷地内にゲティ・ヴィラを設立。さらにゲティ・トラストは70年代にゲティ・センター開館のため新たな敷地を取得。84年に設計者に選定されたＲ・マイヤーは、急勾配となった地形に沿ってＲ・アーウィンのデザインによる庭園を中心に５つの建物群を配置し景観を最大限に生かしたキャンパスを設計した。センターは美術館のほかにゲティ研究所（GRI）、修復研究所、ゲティ財団、センターを運営するジャン・ポール・ゲティ・トラスト事務局が入り、研究活動、助成プログラムなど文化事業を積極的に推進している。美術館はゴッホの《アイリス》を含め20世紀以前のヨーロッパの絵画、素描、装飾写本、彫刻、装飾芸術や19、20世紀欧米の写真作品を所蔵。97年のゲティ・センター開館後、美術館のあったヴィラは一時閉館となり、2006年に古代ギリシャ、ローマ、エトルリアの芸術文化の研究教育センターとして、展示、保存、奨学金、研究、公的プログラムを行なうゲティ・ヴィラとして再開し、コレクション約44,000点のうち1,200点以上を公開している。