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ゼネコン

General Contractor(和)
更新日
2024年03月11日

General Contractorの略称であるが、この語自体が日本での特殊な業態に合わせて造られた和製英語であるともされ、正式には総合建設業(者)という。発注者とのあいだで工期や工費を取り決めて直接契約により建設工事一式を請負い、各種専門工事業者や下請業者などと下請け契約を結び、作業所組織を編成し工事全体を取りしきる役割を果たす。日本のゼネコンは、施工部門以外にも設計部門やエンジニアリング部門、研究開発部門などを抱え、建設に関わる幅広い分野をカヴァーしており、設計業と施工業との分業が主流となっている欧米の建設会社とは大きく異なる業態となっている。特に、スーパーゼネコンと呼ばれる鹿島建設、清水建設、大成建設、大林組、竹中工務店の5社の規模が突出しており、国内における大規模な土木工事や建築工事の大半は、この5社が関わっている。建設業界全体としては1990年頃を境に縮小傾向にあり、2000年前後には多くのゼネコンが倒産した。高い技術力を背景に海外に進出する動きもあり、アルジェリア東西高速道路やドバイ・メトロなど大型工事の受注も見られるが、契約習慣の違いやリスク管理の問題から思うように収益が上がっていない。11年には東日本大震災を受けた東北地方の復興需要を見込んだ動きや、同年5月に整備計画が決定された中央新幹線の建設工事受注に向けた動きが活発化している。

補足情報

参考文献

『建築生産』(第二版),松村秀一編著,市ヶ谷出版社,2010
『土木施工』51号,「ゼネコンの海外展開」,中山隆,オフィス・スペース,2010年12月
『Zaiten』2011年8月号,特集=ゼネコン『震災特需』の真贋,財界展望新社