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相談芸術 

Sodan Art
更新日
2024年03月11日

作者の考えを一切入れることなく、第三者の助言や意見に従って制作を進める手法、もしくはその制作物。1991年に小沢剛が提唱し、ギャラリーでの数度の発表を経て、95年に水戸芸術館の企画「相談芸術大学」において、大学の形態を模したワークショップとして大々的に取り上げられた。ワークショップの形式をとった複数人によるディスカッション、相談相手を訪ね歩く、媒体に投稿を募るなど第三者の参加方法はさまざま。当初絵画で始められたが、映像、音楽、パフォーマンス、カフェ、ホテルなどメディアやジャンルを問わず行なわれ、美術分野でインターネットを利用した早い事例でもある。相談は永遠に連鎖することが可能なため、完成という概念を持たない。美術界の閉鎖性は作者の自我にあるとみなしてそれを解体しようとする(責任の在処を曖昧化する)とともに、美術に対する(日本の)社会的な関心の低さの解消を目指すような志向性において、他者とのコミュニケーションや社会との関係性に主眼を置くリレーショナル・アートに位置づけ得る。相談芸術は小沢の行なっている多様なプロジェクトの一ジャンルでもあるが、第三者を取り込む相談的手法は小沢の制作全体に一貫している。

著者

補足情報

参考文献

「小沢剛 同時に答えろ Yes と No!」展カタログ,森美術館,2004
「小沢剛 透明ランナーは走りつづける」展カタログ,広島市現代美術館,2009