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日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)

Japan Graphic Designers Association Inc.(JAGDA)
更新日
2024年03月11日

1978年に設立された日本のグラフィックデザイナーによる全国組織。初代会長を亀倉雄策が務めた後、永井一正、福田繁雄、勝井三雄、浅葉克己、佐藤卓が歴任してきた。705人だった会員は40年間で3,000人まで増え、名実ともに国内で唯一の機関といえる。グラフィックデザインの実務に携わる個人が審査を経て入会を認められる正会員のほか、賛助会員や学生向けの会員制度があり、正会員には社会保障制度を用意するなどデザイナー支援の側面も強い。客観的なデザイン制作料金の体系づけ、著作権保護にまつわる法的整備の普及には、創設以来早い段階から取り組んでいる。2007年には、日本デザイン振興会および武蔵野美術大学が運営するデザイン・ラウンジとともに「東京ミッドタウン・デザインハブ」を開設し、新たな拠点で展覧会やシンポジウムの開催、教育普及、地域振興、国際交流と活動の幅を拡充させた。とりわけ注目すべきは年鑑『Graphic Design in Japan』の発行とJAGDA賞だ。正会員が1年間に発表したうち優れた仕事の集大成を掲載する年鑑と、そのなかから有望な若手数名を選出する「JAGDA新人賞」、さらに最も評価の高いデザイナー1名に授与される「亀倉雄策賞」は、日本のグラフィックデザインを物語る存在である。また、年鑑の各カテゴリー(ポスター、ジェネラルグラフィック、CI・VI・シンボル・ロゴ・タイプフェイス・モーションロゴ、ブック・エディトリアル、パッケージ、新聞広告・雑誌広告、環境・空間、インタラクティブデザイン、映像、複合)は時代に応じて見直しながら設定されており、グラフィックデザイン領域の広がりを明示している。

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参考文献

『Graphic Design in Japan』,日本グラフィックデザイナー協会,六耀社