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ニューヨーク近代美術館写真部門

Department of Photography at The Museum of Modern Art
更新日
2024年03月11日

1940年にニューヨーク近代美術館(MoMA)に設置された写真を専門とする部門。美術館に正式に写真部門が設けられたのはこれが世界初であり、美術界における写真というジャンルの地位の確保、向上に大きな役割を果たしてきた。初代ディレクターは写真史家のボーモント・ニューホールで、37年に写真展「写真 1839-1937」を企画し、写真部門が開設されるきっかけを作った。47年には、2代目ディレクターに写真家のエドワード・スタイケンが就任。55年に開催した「ファミリー・オブ・マン」展が人気を博し、日本を含む世界38カ国を巡回した。3代目ディレクターを62年から91年まで務めたジョン・シャーコフスキーは、「ニュー・ドキュメンツ」展(1967)や「鏡と窓」展(1978)で、60年代以降の写真表現の新たな潮流を紹介したほか、ウィリアム・エグルストンの個展(1976)によって、美術品としてのカラー写真の価値付けを推進した。74年には元『カメラ毎日』編集長・山岸章二とともに、日本人写真家15人を紹介する「ニュー・ジャパニーズ・フォトグラフィ」展を企画している。4代目ディレクターのピーター・ガラッシは、ポストモダン写真を扱った「プレジャーズ・アンド・テラーズ・オブ・ドメスティック・カムフォート」展(1991)などを企画したが、2010年7月に退任した。

補足情報

参考文献

The History of Photography: from 1839 to the Present Completely,The Museum of Modern Art,1982
The Family of Man,The Museum of Modern Art,1955
Mirrors and Windows: American Photography Since 1960,The Museum of Modern Art,1978
New Japanese photography,The Museum of Modern Art,1974
Pleasures and Terrors of Domestic Comfort,The Museum of Modern Art,1991