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バーンズ・コレクション

The Barns Collection
更新日
2024年03月11日

アルバート・C・バーンズ(1872-1951)が収集した、19世紀から20世紀のフランス絵画を中心とするアメリカのコレクション。総数約2,500点を収蔵する、近代美術の屈指のコレクションである。バーンズは新しい軟膏の発明により巨万の冨を築き、1910年より本格的に美術に関心を持ち収集を開始した。22年には、研究と労働者や学生などへの教育的目的のため財団を設立。ペンシルヴァニア大学と提携して教育プログラムを実施した。バーンズは単なるコレクターではなく、何冊もの画家の研究書や理論書を著わすほど絵画研究にのめり込んだ。自身の博学な知識と激しい性格もあいまって、他の研究者や文化エリートへの猜疑心からさまざまな軋轢が絶えず、専門家と非専門家の区分なく、コレクションの観覧をほとんど非公開に近いほど厳しく制限した。歴代の申請者のなかでは、E・パノフスキー、M・シャピロ、T・S・エリオット、ル・コルビュジエなどが観覧を断られている。一方で画家のH・マティスとは良好な関係を築き、30年に財団の建物の中央ギャラリーの壁画制作を依頼。そのプロジェクトは大作《ダンス》(1932-33)となって結実した。バーンズの遺言により、コレクションは門外不出、非公開を原則としていたが、展示室の全面改修と財団の資金難に伴い国外に貸し出され、日本でも94年に国立西洋美術館で「バーンズ・コレクション」展が開かれた。2012年にフィラデルフィア中心部に「バーンズ財団フィラデルフィア・キャンパス」を建設。現在はここでコレクションを観覧することができる。入館は予約制。

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参考文献

『悪魔と呼ばれたコレクター バーンズ・コレクションをつくった男の肖像』,ハワード・グリーンフェルド(藤野邦夫訳),小学館,1998
「バーンズ・コレクション」展カタログ,読売新聞社,1994