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パンチング・メタル

Punching Metal
更新日
2024年03月11日

穴あけ加工を施した金属板。建築材料としてのパンチング・メタルは、内装材および外装材料として用いられることが多い。開けられる穴の大きさとそのピッチにより採光と視界を、また金属板の仕上げの違いで光の反射など、複数の要素を制御できるといった機能的な特徴をもつ。日本では1980年代以降多用されることになり、伊東豊雄による《シルバーハット》(1984)や《風の塔》(1986)、長谷川逸子による《NCハウス》(1984)や《湘南台文化センター》(1989)などで象徴的に使用されており、両者とも外壁、または屋根に透明性を持たせるという目的のためにパンチング・メタルを用いている。また、穴の大きさや密度を容易に変化させることができるので、模様を作ることが可能で、商業ビルのファサードに使用されることも多い。乾久美子による《ディオール銀座》(2004)の外装では、パンチング・メタルの外壁の裏に、同様のドット・パターンを印刷した外壁を2枚並べることで、パターンの重なり合いからモアレ効果を生み出している。

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