Artwords®

『ミノトール』 

Minotaure
更新日
2024年03月11日

『シュルレアリスト革命』(1924-29)、『革命に奉仕するシュルレアリスム』(1930-33)に続く、1933年発刊のシュルレアリスムの芸術誌。アルベール・スキラ社から39年まで計13号が刊行された。スキラを責任編集者として、E・テリアードがアート・ディレクションを手がけた。タイトルの「ミノトール」は、ギリシャ神話に登場する半人半獣の牛の頭をした怪物ミノタウロスに由来し、A・マッソンとG・バタイユによって命名された。創刊号の表紙は、同時期にミノトールを主題に多くの作品を残したピカソに依嘱された。33年の3/4合併号からは『革命に奉仕するシュルレアリスム』を廃刊にしたシュルレアリストたちが次第に活動の基盤をこの場所に求めたため、実質的にシュルレアリスムの3番目の雑誌として機能し始める。36年の第9号でテリアードが同誌を離れてからは、A・ブルトン、M・デュシャン、P・エリュアールが中心的な編集同人として雑誌の刊行を続けた。S・ダリやH・ベルメールらの美術作品が紹介されたほか、同誌ではマン・レイやブラッサイの写真が頻繁に掲載されたことでも知られている。

著者

補足情報