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ロードサイド

Roadside
更新日
2024年03月11日

ロードサイドとは、単に(幹線)道路沿いを意味する単語であるが、自家用車でアクセスする店舗が建ち並ぶ郊外の幹線道路沿線、またはその状況一般を指す言葉として使用される。ロードサイドの店舗は、コンビニから大型ショッピング・モールまで、規模および業態もさまざまである。日本では1960年代後半のモータリゼーションにより、ロードサイドの形成が始まり、当初はファミレスやホームセンターを中心とした店舗展開であったが、地価の変動や大規模小売店舗立地法などの政策的な理由により、業態は刻々と変化している。それでも建設費を抑えた建築物に十分な広さの駐車場、巨大な看板といった建築的特徴により、ロードサイドを象徴する光景に大きな変化はない。また、ロバート・ヴェンチューリらによる著書『ラスベガス』(原著:1977)において、ヴェンチューリは、大通りに面してカジノやガソリン・スタンドが建ち並ぶラスベガスの建築を、「装飾された小屋」と呼び評価したが、日本のロードサイドも、規模の違いはあれラスベガスの建築と同様に構成されており、爛熟した資本主義を象徴した光景と考えることもできるだろう。

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参考文献

『ラスベガス』(SD選書),R・ヴェンチューリほか(石井和紘、伊藤公文訳),鹿島出版会,1978