2020年06月01日号
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2009年07月01日号のバックナンバー

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フォーカス

バウシュがくれた〈意味の宙づり〉

[2009年07月01日号(木村覚)]

 ピナ・バウシュが逝去した。享年68才、死因はがんだった。
 師事していたクルト・ヨースの提唱するタンツ・テアターの代表的存在だったバウシュは、しばしば、20世紀ドイツを代表する表現舞踊の継承者としてとらえられがちである。そうした点は無視できないとしても、彼女の確立した方法論は、モダンダンスというよりむしろその後のポスト・モダンダンスの水脈に繋がっていたと考えるべきだろう。単一の日常的な動作を執拗に反復し、そうすることで彼女は、既存の演劇ともダンスとも結びつかない独自のダンスを生み出した。

ニューヨーク2009年夏 現代社会のなかで共生するアートと都市

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[2009年07月01日号(梁瀬薫)]

 米国最悪の不況で冷え込むアート市場を横目に、ニューヨークではちいさなオルタナティブ・スペースでの展覧会やイベントが注目されているが、都市を舞台としたようなパブリック・アートは、この夏のアート・シーンの主役。

キュレーターズノート

第53回ヴェネツィア・ビエンナーレ Re: Membering - Next of Japan

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[2009年07月01日号(住友文彦)]

 今回ははじめてヴェネツィア・ビエンナーレをオープニングの時期に見に行った。その必要があったのはヨコハマ国際映像祭に参加してもらう予定の作家数名が新作を出しているのでそれを見ることと、援助をしてくれる関係者に会うことが目的で、もしそういう理由でもなければ、例えばヴェネツィア映画祭やイスタンブール・ビエンナーレなどと時期を合わせて行くことのほうがいいと思っていたのだが、やはり国外のさまざまな関係者と会える社交場としての役割は他に代えがたいものかもしれない。その役割と非日常性を帯びた街の魅力についてはすでに多くの人が十分に語っているので繰り返すまでもないが、国別パヴィリオンのあり方や、ダニエル・バーンバウムが企画した「Making World」について、あるいは日本館のやなぎみわの展示、ブルース・ナウマンやヴォルフガング・ティルマンス、パスカル・マルタン=トゥイユなど著名なアーティストがどういう作品を展示したかについても触れずに、それ以外に気になったこととして記しておきたいことがいくつかあった。

秋田市・ココラボラトリーがつくり出す場(金氏徹平×八木良太トークショー) 国際芸術センター青森(ACAC)、新たな展開

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[2009年07月01日号(日沼禎子)]

 青森から奥羽線で秋田へ。初夏の津軽を走る列車。明るい日差しも心地よく、のんびりとペーパーバッグの活字を追っていると、途中、列車が急停車をした。ふと車窓に目をやると、そこはリンゴ園の真ん中だった。さわさわと風に揺れる木々の間に、収穫前のもっとも大事な作業、袋がけをしている農夫を見つけた。まだ青くピンポン球ほどのりんごを、一つひとつ丁寧に紙袋に包んでいく。赤く艶やかな果実が実るまでには、気が遠くなるほどの多くの仕事がある。やがて農夫も停車した列車に気付き顔をあげるが、また、黙々とした作業に戻っていった。そしてまた、列車は走り出す。旅の始まりは、なにか、とある予感を感じさせるものだった。

アートプロジェクト探訪

開国博Y150:都市ブランディングの主体は誰か──横浜の都市、アーティスト、そして市民

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[2009年07月01日号(久木元拓)]

artscapeレビュー

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