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2011年08月01日号のバックナンバー

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フォーカス

夏休みのグループ展は若いキュレーターが力量を発揮する大舞台。悪ぶるアーティストたちのショウタイム!

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[2011年08月01日号(梁瀬薫)]

 ニューヨークのアートシーンでは夏休み恒例となっているギャラリー展。画廊の取り扱い作家以外の若手アーティストなども召喚され、夏のグループ展は新人作家にとってのチャンスともなる檜舞台でもある。今年は国際色豊かなインディペンデント・キュレーターを起用し、社会的なコンセプトに沿った多様な内容の展覧会が印象的だった。

イェッペ・ハイン──21世紀のユートピアン彫刻家

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[2011年08月01日号(竹久侑)]

 展示室に入ると、立ちはだかる壁があり、掛けられた長方形の鏡に自分が映り込んでいる。近づくと、その鏡が震え出し、自分と周囲の像が歪み、視点が乱れ、頭がくらくらする……。眩暈をもよおさせるような作品《鏡の壁》(2009)で観客を迎え入れる予定だったのは、水戸芸術館で筆者が企画していた、デンマーク人作家イェッペ・ハインによる個展「参加してください」だ。「予定だった」と書いたのは、本展が東日本大震災の影響で中止になったからだが、ハインの作品は現在開催中の金沢21世紀美術館での個展「イェッペ・ハイン 360°」と、8月6日オープンのヨコハマトリエンナーレ2011で体験することができる。

キュレーターズノート

帯広コンテンポラリーアート2011──真正閣の100日

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[2011年08月01日号(鎌田享)]

 この夏、帯広で「真正閣の100日」と題したアートイベントが開かれている。市内にある「真正閣(しんしょうかく))」という古建築を舞台に、帯広そして北海道在住のアーティスト50名余りが、14週間にわたって週替わりで個展やグループ展、そしてパフォーマンスを展開する。

「イェッペ・ハイン 360°」カタログ

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[2011年08月01日号(鷲田めるろ)]

 8月31日まで金沢21世紀美術館で開催中の「イェッペ・ハイン 360°」のカタログを目下制作中である。8月6日より、金沢21世紀美術館のミュージアムショップで発売する。ハインの作品は、空間との関係もさることながら、観客との関係が重要である。つまり、展覧会の開始時点でインスタレーションとしての作品が完成するのではなく、観客が作品を体験したり、また、作品を触媒として、観客同士のあいだに新たな関係が生まれたりすることが、作品の一部であるとも言える。それゆえ、カタログは、金沢で、どのように人がハインの作品を経験したかを記録するものとした。オープン早々から訪れてくださり、ショップでカタログを探してくださった方にはお詫び申し上げる。

artscapeレビュー

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