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2013年06月15日号のバックナンバー
フォーカス
身体・地球・宇宙へと広がる、内臓のはるかな記憶──「内臓感覚──遠クテ近イ生ノ声」展レビュー
[2013年06月15日号(檜垣立哉)]
金沢21世紀美術館にて開催中の展覧会「内臓感覚──遠クテ近イ生ノ声」のレビュー。おもに、ルイーズ・ブルジョワ、加藤泉、ビル・ヴィオラ、ピピロッティ・リストの出品作品をとおして。
キュレーターズノート
伊東宣明《芸術家》
[2013年06月15日号(中井康之)]
冒頭から私事になるが、美術館での業務とは別に、京都市立芸術大学で批評論を講じて十数年となる。批評論という題目であるが、たんにメタ的に論じているわけではない。実技系の学生でも知っておいたほうがよいと思われる近代以降の基本的な批評文を読み説くという授業である。
ある風景のはなし/鹿田義彦「Re Exposure」/サイト──場所の記憶、場所の力
[2013年06月15日号(角奈緒子)]
早いもので今年ももう半分が過ぎようとしている。今年の年明けは、広島市現代美術館で現在開催中の展覧会「日本の70年代」の準備に追われていたことを、つい先日のことのように思い出す。自分がこの世に生をうけた時代であるがゆえの興味のほかには、聞きかじりの知識しか持ち合わせなかったため、展覧会を担当するにあたり当時の書物や雑誌を手に取って、駆け足で「70年代」を後追いしなければならなかった。1970年代前半を包んでいた異様な熱気と活気に惹かれながらも、いくつもの強烈な個性が集い、連鎖的に化学反応を起こしていくかのごとく次々になにかが起こるめまぐるしさや個々の事象のアクの強さにやられてしまったのだろうか、なぜかひどく疲労し、もとの調子を取り戻せないまま、梅雨の季節を迎えてしまったような気がしている。この70年代ショックからようやく快復(?)しつつある今回は遠出せず、地元広島の美術館とギャラリースペースを紹介したい。