2020年10月15日号
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【ウィーン】コロナ禍を生きる──排除と存在の否定に抗して

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[2020年10月01日号(丸山美佳)]

ウィーンの中心地には観光客が戻り、9月頭より国立オペラなど大型劇場が再開し、例年どおりアートフェアやフェスティバルなど秋の文化イベントが入場制限をしつつ開催され、表面的には活気を取り戻し始めているように見える。3月のロックダウンとは打って変わって街はとてもリラックスした雰囲気であるし、レストランやカフェには多くの人々が友人たちとの時間を楽しんでいるようだ。しかし9月中旬より再びコロナウィルスの感染拡大にも直面している。EU内の複数の国からも危険エリアに指定され、数日毎に規制が書き換えられ、そのたびに現場はその変化への対応を求められている。移動には大きな負担と制限がかかっており、自身の目で実際に見ることのできる活動が狭まり、未来への見通しがたたない現状において、ここ半年を簡単に振り返りながら、オーストリアを中心にコロナ禍の政治やそれを取り巻く芸術の実践を捉えてみたい。

キュレーターズノート

アーティストの証明──制度のなかで見えてきたこと

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[2020年10月01日号(山本麻友美)]

今年7月に「無所属系作家確認証発行連合体」という名前の団体を、文化庁からの強い働きかけと提案があり、一般社団法人日本美術家連盟の軒先をお借りして立ち上げた。この団体は「文化庁・文化芸術活動の継続支援事業」の申請手続きを簡略化するための事前確認番号を発行するためのものであり、文字どおり、どの団体にも所属しないアーティスト(アートマネージャーやキュレーター、批評家等を含む)を、「新型コロナウイルスの影響を受けたが、現在も活動を行ない今後も活動を続けていく方です」という認定を行なう組織だ。 メンバーは、全国各地のアートセンターやレジデンス施設等のスタッフ、美術館学芸員、大学教員等も含め19名の専門家で構成される。
本稿では、この団体の立ち上げの経緯と認定作業をとおして顕在化された、日本における美術、さらに芸術業界全体の構造的な問題と課題について考えたい。

地域のコミュニティとつながるために──「金石大野芸術計画」の試み

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[2020年10月01日号(野中祐美子)]

金沢21世紀美術館では2017年度から「自治区」というプロジェクトが始まった。これは現代美術に限らず科学や音楽、テクノロジーや文学など他の領域を横断しつつ、「自治」をキーワードにライブ、映像上映、トークなど美術館での展覧会とは違った多様なプログラムを実施し、実験的なアクティビティへと拡張させていくことを目的としている。当初、この「自治区」の活動は美術館の敷地内で行なわれていたが、2018年度からは新たに「金石大野芸術計画(アートプロジェクト)」と題し、金沢市の港町、金石(かないわ)大野地区に活動の拠点を置き、アーティスト・イン・レジデンス(AIR)を実施することになった。

artscapeレビュー

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