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2021年09月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【ロンドン】複製が伝えるもの──ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館 キャストコートでの経験から

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[2021年09月01日号(森尾さゆり)]

古代から現在までの5000年にわたるコレクション、とくに装飾美術とデザインが充実していることで知られているロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(以下、V&A)。広大な展示室のなかでも、キャストコートは吹き抜けの二つの大きな展示室からなり、ミケランジェロのダビデ像をはじめとする著名な彫刻作品や建造物の石膏の複製(キャスト)が圧倒的な迫力で並ぶ。19世紀の開館当初、そのコレクションは職人や芸術家の教育、それによる製品の質の向上による経済活性化を目指して公開された。現在、オリジナルが経年や環境の変化によって劣化していくなかで、複製がもつ価値も変化しつつある。キャストコートで、コンサバター(保存修復師)としてさまざまな展示品の修復に携わった森尾さゆり氏に、キャストの修復作業の実際と今日的な意義についてご寄稿いただいた。(artscape編集部)

キュレーターズノート

そこに住む人たち自身が街を変えていくこと──自治区 金石大野アートプロジェクト 「かないわ楽座」

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[2021年09月01日号(野中祐美子)]

7月の1カ月間、金沢21世紀美術館主催事業として金沢の港まち、金石地域で「かないわ楽座」というプロジェクトを実施した。金石の商店街で、空き店舗を転用して人々が集い話すための「場を開く」プロジェクトである。これは、商店街を活性化するためでも、イベントで賑やかしをつくるためのものでもなく、地域の人たちが、自分たちの暮らす街のこれまでとこれからについて考えるための企画である。

artscapeレビュー

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