現代美術用語辞典 1.0

ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館

Victoria and Albert Museum
2009年01月15日掲載

アルバート公の後援を受け、1852年マールボロ・ハウスに産業博物館として開館。初代の館長は1851年のロンドン博の立案者であるH・コール卿である。 1857年には現在の所在地であるサウス・ケンジントンに移り、1899年にヴィクトリア女王が現在の建物の定礎式に出席して、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館に改称した。製造業に従事する労働者層、つまり当時の新しい社会層を啓蒙するための教育的な美術館を目ざして設立され、その基本的な構想は芸術、とくにデザインの創造性を高め、よりよい製品をつくりだし、結果的に国の経済力を強めるため、世界のさまざまな地域の芸術的な工芸品から工業製品に至るまでを収集・展示することとした。この後ヨーロッパ全土にこれを範をとった博物館が次々に建設されていく(1863年パリ装飾美術館、1864年ウィーン応用美術館)。20世紀のデザイン作品については、T・コンラン卿によるデザイン・ミュージアムと分担し、主に工芸を主体とした展示品を揃えている。現在、D・リベスキンドによる新館「スパイラル」が構想されており、ファッション・ショーなどに対応した、新しい美術館像を模索しはじめている。

[執筆者:紫牟田伸子]

現代美術用語辞典 2.0

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