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2022年11月15日号のバックナンバー

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フォーカス

「繭」は何を保護しているのか?──マームとジプシー『cocoon』のあとに、今日マチ子『cocoon』をクィアに読み直す

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[2022年11月15日号(高嶋慈)]

沖縄戦の看護隊に動員される少女たちに着想を得た今日マチ子のマンガ『cocoon』(秋田書店、2010)を原作にしたマームとジプシーによる舞台作品が、今夏に再々演された。原作マンガは、少女の日常世界を透明感ある筆致で描いてきた今日マチ子が「戦争マンガ」に新境地を拓いた作品として評価されている。刊行年には、文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」に選出された。

キュレーターズノート

ドキュメントから想像力をひろげる──MOMATコレクション「プレイバック『抽象と幻想』展」、「Do it! わたしの日常が美術になる」「MAMリサーチ009 正義をもとめて─アジア系アメリカ人の芸術運動」

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[2022年11月15日号(町村悠香)]

学生時代に美術史学研究室の関西見学旅行に行ったとき、作品だけでなく一見目立たない展示ケースのなかにある資料もよく見ることの大切さを教えられた。研究室で日本美術を中心に指導してくださった佐藤康宏先生が「美術史家というものは、こうした資料にもよく目を通して、そこから探偵のようにヒントを探していくものだ」とおっしゃっていたのを思い出す。いい探偵になれているか心もとないが、そのことはいまでも心に残っている。

答えのない問いに向き合う作法、アートセンターがハブになる未来

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[2022年11月15日号(会田大也)]

現在山口市では、山口情報芸術センター[YCAM]で制作された作品《Forest Symphony》と《water state 1》の2点が、市内の常栄寺雪舟庭および山口情報芸術センターサテライトAの2箇所で展示されている。「Yamaguchi Seasonal 2022」と称されるシーズン企画で、坂本龍一+YCAM InterLabによる《Forest Symphony》および、坂本龍一+高谷史郎による《water state 1》は、森林や水といった対象を現代の技術で捉えることで、日本の自然観を描き出しているとも捉えられる作品だ。
2020年度に行なわれた「山口ゆめ回廊博覧会」のプレ企画として山口市内の同会場で展示された年から数えて、3年目の展示となるが、Seasonalと冠されたシリーズタイトルには、この時期の山口の風物詩となれば、という願いが込められている。YCAMからあえて離れた位置にそれぞれ作品を展示しているのは、山口が持つ、自然と文化が豊かな地域の魅力にも触れてもらいたいという意図もある。

トピックス

[PR]文化遺産をデジタル鑑賞システムでひらく──フランス国立図書館リシュリュー館

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[2022年11月15日号(栗栖智美)]

BnF(Bibliothèque nationale de France:フランス国立図書館)といえば、建築家ドミニク・ペローが手掛けたセーヌ川沿いの図書館を思い描くパリジャンが多いだろう。ここは、1996年末にオープンしたBnF新館で、本を開いて立てたようなガラス張の巨大な4つの建物がパリのランドマークとなって久しい。
一方、BnF旧館であるリシュリュー館は、12年におよぶ大工事の末、9月17日リニューアルオープンして話題になったばかりだ。 今回息を飲むほど美しいLa salle Ovaleが一般に無料公開されたことで、早くもパリの新しい観光名所となりつつある。

アート・アーカイブ探求

エミリー・カーメ・ウングワレー《ビッグ・ヤム・ドリーミング》──母なる大地「上田杏菜」

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[2022年11月15日号(影山幸一)]

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