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2023年06月15日号のバックナンバー

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フォーカス

絵本『ちいさいおうち』の結末は、ハッピーエンドか?──ゲニウス・ロキから考える、モダニズム建築保存の困難

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[2023年06月15日号(本橋仁)]

東京都武蔵野市所有のアントニン・レーモンド設計による旧赤星鉄馬邸は、昨年、国の登録有形文化財(建造物)に登録され、有効な利活用の方法が専門家や一般市民によって模索されている。先月一般公開したところ、7日間で5,000人近くがつめかけたという★1。また、昨年は吉阪隆正が設計し、解体の危機にあったヴィラ・クゥクゥを俳優の鈴木京香氏が購入したことが話題になった★2。近年、原美術館が取り壊され、香川県立体育館も解体の危機に晒されているなど、長年にわたってひろく親しまれていたモダニズム建築が惜しまれながらも姿を消していく現実が、関心の裾野をひろげているのだろう。そこでは、建築史家や建築ファン、地元住民の保存への思いと保存維持・耐震工事等に対する莫大な費用の捻出や相続・管理の問題などを抱えた所有者側の実情がせめぎ合っている。本稿では、とくにモダニズム建築のもつ特質ゆえの悩ましさについて、日本近代建築史が専門の本橋仁氏(金沢21世紀美術館)にご寄稿いただいた。(artscape編集部)

キュレーターズノート

絡まり合うあれこれ──複合施設「美術館・図書館」としての展覧会

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[2023年06月15日号(矢ヶ﨑結花)]

群馬県、東武伊勢崎線太田駅を出てすぐの場所に小高い山のような、公園のような、とても目をひく建物がある。それが太田市美術館・図書館だ。図書館と美術館が隣り合わせ、もしくは同じ建物のなかに入っている美術館は多々あるが、それに類するものではない。美術館と図書館が、建物の内側と外側が、人工物と自然が、学びと憩いと遊びがゆるやかに溶け合っている。展覧会も本と美術+αのケミストリーをねらうようなユニークな企画が多い。今号より「キュレーターズノート」に太田市美術館・図書館のキュレーター、矢ヶ﨑結花氏に執筆陣に加わっていただく。(artscape編集部)

トピックス

[PR]古美術から現代アートまで 「東京 アート アンティーク ~日本橋・京橋美術まつり」でギャラリー街をゆく

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[2023年06月15日号(榎本市子)]

約150もの古美術店や画廊などが密集する京橋・日本橋エリア。ただ、現代アートのギャラリーに足を運ぶことはあっても、古美術や骨董のイメージが強いこのエリアのギャラリーは、ちょっと敷居が高いと思っている人も多いのでは。そんな人にも間口を広く開いているのが「東京 アート アンティーク ~日本橋・京橋美術まつり(以下、TAA)」。毎年開催されているこのイベントは、街歩きを楽しみながら老舗のギャラリーや古美術店を訪れることのできる絶好のチャンス。古くから美術が根づくこのエリアで、初心者でも気軽にさまざまなアートに触れることができます。2023年4月27~29日に開催されたTAAで、8つのギャラリーをめぐってみました。

アート・アーカイブ探求

フランシスコ・デ・ゴヤ《1808年5月3日、マドリード》──不条理な人間「木下 亮」

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[2023年06月15日号(影山幸一)]

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