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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2005.10.15

振り返る

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エントランスに展示中


明日の連続講演会(昨日も書いた)は水戸芸術館の開館以来の15年間を振り返ろうとするもので、そのために整理した企画事業リストを眺めていると、「この展覧会の時には湾岸戦争のニュース映像を見ながらとか、この展覧会のカタログの打ち合わせで東京に出た日にオウムの地下鉄サリン事件があり、館から電話をもらったことや、東海村での臨界事故の時にはベルリンに出張中で国際電話で状況を聞いたことなど、周辺に起きたいろんなことを思いだす。ま、そんなことを舞台で話せる訳じゃないけど。
ま、あすの14時から16時の時間は、映像を見ながら水戸芸術館現代の関わったアートシーンを回顧することになる。いろいろと思い出深いけど、クリストアンブレラ・プロジェクトは規模・動員・話題性のどれをとっても草創期の僕にとっての一番のニュースなのかな。


1995年は神戸・淡路大震災とオウム・地下鉄サリン事件があった年だけど、ちょうどこの年にartscapeの活動が始まり今年で10周年を迎え、記念プロジェクトを展開中。そして来る11月5日に横浜で記念パーティーを開催する予定(詳細近日発表)で、その日に記念書籍の刊行を間に合わせるために、編集部は15日のartscapeサイトの更新と平行して急ぎ準備を進めている。タイトルは「アートスケープ・クロニクル 1995-2005」。この直近の10年間をネット環境とアートの切り口で振り返る。


と、振り返りついで・つながりではないのですが、ここからが実は今日の本題。
僕が企画する次回展覧会は、<1995から2005年まで>の日本の作家の展覧会。一番の特徴は、「日本ゼロ年」(1999年)の時に美術評論家・椹木野衣さんが展覧会コンセプトの責任者であったように、今回もやはり美術評論家の松井みどりさんが展覧会コンセプトを受け持ち、僕がミュージアムキュレータとしてそれを展覧会として組み上げる共同企画展となること。つまり、当面、松井みどりさんと僕は共に仕事をするこになる。開催予定時期は、2007年の1月末から3月末。展覧会名はまだない。作家名は今後の僕の動きで徐々にあきらかになると思うけど、展覧会の基本コンセプトは、松井みどりさんが執筆担当している、2005年7月号の美術手帳の特集「日本近現代美術史」7章1995-2005に寄稿した「脱境界化と内面性の美術」にほぼその原型がある。松井さん自身が美術批評をはじめるのが1994,5年であり、この10年間の批評活動の総括展とも言える松井ファンドのグループ展となる。現時点では17人の作家規模のイメージでいて調査・調整・協議中。展覧会としては、当然、NYで開催された「Littel Boy」(もちろん松井さんは、このカタログに「快楽ルームからカオスな街頭へ 90年代日本美術における可愛いサブカルチャーの変容」を寄せている)との違いとか、ユリイカ10月号の日本現代美術最前線で討議され論考されているようなことも問題になってくる。ま、そのあたりも含めてこれから1年ほどの準備が始まる。

あれ、いつの間にか振り返る昨日の話から明日の話題になっている。今日はここまで。

Posted by 森司 at 00:45 | 夏への扉

『アートスケープ・クロニクル 1995-2005』は一般書籍として発刊されるのですか?

Posted by masa at 2005年11月 1日 10:55

『アートスケープ・クロニクル 1995-2005』は、11月上旬刊行です。詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.dnp.co.jp/artscape/10th/book.html

Posted by artscape編集スタッフ at 2005年11月 3日 14:10

返答ありがとうございます。『アートスケープ・クロニクル 1995-2005』本日届きました。いたるところで紹介されているようですね。これからの生活に役立てて生きたいと思います。

Posted by masa at 2005年11月30日 12:52











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