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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2005.11. 9

衆目

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雲一つない青空、快晴。日だまりの中を歩いている気持ち。太陽からエネルギーをもらい充電している気分は、幸せの一言。(──青森はもう寒くて雪だそうだ。温泉シーズ到来ですね。今宵はゆっくり長湯をしよう!)


一言と言えば、突然のコメントラッシュ!こぐれ日記の小暮さんお久しぶりです。つづいて、めちゃ忙しいはずの長谷川さんまでおつきあいくださって、どうもありがとうございます。直メでも最近はコメントを頂いていて有り難い限りです。励みます。藤さんも早速、取手TAPのはらっぱへの道梯子段の写真を携帯からアップしてるし。


藤さんも取手入りし、11月12日が初日となる「TAP2005」の現場が動き始めている。飛び交う関係者メールの数は倍増し、その内容はより具体的(=数量化的)になり、さらに昼夜を問わずアップされて、1日24時間が連続している。オープン直前のヒリヒリ感タップリ。


──電車まで中途半端な間があり、思わず昨日借りてしまった「24」シーズン4のDVD3枚パック(=7時から13時まで)を、明日の返却日前に、これまた思わず(本当は書かなくてはならない原稿資料のDVDを見るハズだったのだが)一気に見てしまう。しかし全10枚なのでまだ7枚ある。──
たぶんTAPの現場(=事務所)も(CTUばりに、…ちょっと言い過ぎか)あんな感じに、めまぐるしい忙しさのはず。またしても、余談だけど、めまぐるしいカメラワークは、緊張感の演出には最高なんだろな。突然放映打ち切りで終わってしまった感のある米TVシリーズの「ホワイトハウス」もそうだった。有名な「ER」はリアルな緊急性が要請したカメラアングルのような気もするけど、いずれにしもあの流れ。


さて、TAP塾長にしてTAP2005司令塔、熊倉純子(すみこ)先生の確認と指示と激励とお礼のメールが増えている。う〜ん、現場だ。青森の長谷川さんの「津軽」の製作現場も同様に「24」チックな日々だとブログを見ながら日々思う。『現場は、どこもそうなんだ!よな』と、改めてこれを書きつつ実感する。


しかし、かくゆう僕の今日の1日は、ちょっとまったり系。昨日から水戸滞在中の新人大物作家の半田君対応モードになっているためなのだけど。

水戸での全プログラムを事故無く終えて、明後日からの移動のための荷造り中のきむらとしろうじんじんさんらと、お昼は、カルマのカレーを食べに、午前中自転車で街を見ていた半田君を連れて行く。ここの「南インドカレー」はかなりスパイシーで辛さに強くないとちょっとこたえる。半田君が、南インドカレーなら知っているぞ!的勢いでオーダーしそうになるので、野菜とのハーフを進める。彼曰く「美味しいですね。でも南インドはこんなに辛くないッス」。たまに口にする、半田君的感嘆符コメントと、話題を展開することなく受け止めていたら、今度は「この曲は『ミルク売りの曲』です。僕も何回か買いました。」と話始める。想定外の言葉が続くので、よくよく聞くと、18-19歳の芸大の1年生の時に、1年間インドに暮らしたことがあり、お寺を造る装飾左官屋さんの下で仕事をしていて、賄い付きで日当は、日額で3食は食べられる額だったと、魅力的な面白そうな話が続く。しかし、さらにと期待して待つと、溢れるイメージが彼の躰の中で言葉になる前で渦を巻き出し、言葉が続かなくなり、お話しは終わる。半田君らしいスタイルで、次の波が来るのをこちらが慌てず待つのが、彼には良い間合いのように思う。作品のイメージが言葉の波になって出てくるのはいつのことだろう。時間はまだたっぷりかかるが、ある。だからこそ、彼が今日、水戸にいる。
ランチのあと、作家としては大先輩のじんじんさんにリヤカーを見せてもらいながら、食後のデザートのようなしゃべりをじんじんさとしたあと、僕の前から「(のんびりと自分の空間になる)場所を見て(満足したら)帰ります。」と言って消えた。じんじんさんも雰囲気があり、楽しみな若者と言っていたけど、どこかしら「ゆらっ」とした──バカボンドの主人公のような──未完の雰囲気を纏ったすてきな野武士ぶりの若者だった。また彼とビールをいっぱい飲もうと思う。


半田君がギャラリーを見ている頃、僕は、学芸で事務仕事をした後、ふらっとショップに行く。
PHAIDONの「VITAMIN D」が、入荷しましたと声をかけらる。昨日聞いたときには、「VITAMIN P - NEW PERSPECTIVES IN PAINTING」なら在庫あります(5250円、NADIF)と言われた矢先。速攻で包んでもらい持ち帰る。「VITAMIN D」はNEW PERSPECTIVES IN DRAWING とあるように、1990年以降に活躍する109人の作家を紹介している本だ。巻頭の論考は、テートモダンのキュレーターEmma Dexter。この本には3人の日本人の名前がある。A to Z リスト3人目と4人目に「青木陵子」と「有馬かおる」の名が並んである。もう一人の名はAUTHORSの欄にある「松井みどり」。デッサン紙を彷彿とさせる耳付きの紙に印刷された素敵な作品集は9240円、NADIFで手に入る。


松井みどりさんとタッグを組んで組織する、2007年春(2-5月)開催予定の「夏への扉──マイクロ・ポップ」展の準備はこんな感じで静かに進んでいる。展覧会タイトルが、SFの巨匠ロバート・A・ハインラインの傑作「夏への扉」と同名なのは承知のこと。「タイトル」そのものが、展覧会イメージにぴったりと、松井みどりさんの弁。でも、1981年の松田聖子の名曲「夏の扉」を想起されそうだけど、気分は同じ。冬にあって思う夏の扉を捜す感覚なのです。

附記:あら、藤さんブログ、10日朝の本アップの際に写真が差し替えられている〜。そんなこともありますよね。(11月10日記。)

今日も書きます。

Posted by 森司 at 01:21 | 夏への扉

こぐれです。
3回目になってしましまいました。ここのシステムに馴れず。ご存知かも知れませんが、こぐれ日記とこぐれ日録、そして、最近はこぐれ日乗でやっております。こちらもまたコメントとかくださいね。http://kogure.exblog.jp/
あと、学生たち用のブログも数本。http://kogurearts.exblog.jp/
暇で暇で仕方がないので、また、遊んでやってください。ではでは。こぐっちより
何で暇かというと、まあ、こんな日本だからなんですが・・

Posted by 小暮宣雄 at 2005年11月10日 20:24











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