昭和24年上越市に生まれた柴田は、高校時代に柳田國男を耽読し、民俗学に興味をもち、学生時代からインドやネパール、イラクを訪れ、その土地に根付く人々の生と死に関する信仰や祈りの姿を取材しました。昭和51年に多摩美術大学大学院を修了すると第3回創画展に初入選にして創画会賞を受賞し、昭和63年に39歳で創画会会員に推挙されました。以降、柴田は創画会を中心に活動し、人間の生と死、中世ヨーロッパの「巡礼の道」、故郷・上越の自然風景など、生涯を通じて「祈りの風景」を描いてきました。

 柴田は日本画家として活躍するほか、ステンドグラスのデザインを行うなど、令和4年1月に72歳でなくなるまで多彩な創作活動を行いました。ステンドグラス作品は上越妙高駅を始めとする市内の公共施設に設置され、今も多くの方から親しまれています。

 本展覧会では、当館コレクションを中心として日本画及びステンドグラス作品を展示し、柴田に内在する「祈りの心象」を紹介します。