古代から現代にいたるまで私達を魅了してきた真珠のきらびやかさや神秘さを、人々はどのように創りあげてきたのでしょうか。出土品や皇室への献上品、ジュエリーを通じて様々な角度から真珠の魅力を紹介します。
※期間中に一部展示替えを行います。
≪前期展示≫4月20日(土)から5月19日(日)まで
≪後期展示≫5月21日(火)から6月16日(日)まで

●プロローグ 真珠とは●
真珠と聞くと白くて丸い珠がイメージされますが、真珠の形・色は様々です。貝によって生み出される多種多様な自然の造形である真珠を紹介します。

●第1章 日本の天然真珠 三重の真珠●
真珠の養殖が始まる遥か昔から、天然真珠は希少性とその輝きにより特別なものとして珍重されていました。福井県若狭町鳥浜貝塚から出土した日本最古の真珠である鳥浜パールや、江戸時代に大村湾(長崎県)で採取された御喰出(おはみだ)しの真珠など、数々の真珠が歴史を彩ります。三重県も天然真珠の採取地として知られていました。伊勢志摩の真珠は古くから献上品として用いられ、江戸時代になると医薬品として用いられることが多くなりました。ジュエリーに使用される前の真珠がどのようなものであったかを紹介します。

●第2章 世界の天然真珠●
世界でも天然真珠は採取されており、とくにペルシャ湾は歴史的な天然真珠の一大産地として、知られています。発見された希少な天然真珠はその美しさが高く評価され、ヨーロッパに運ばれ、宝飾品として加工され、身分の高い人たちの髪や胸元、指先をきらびやかに飾りました。この章では真珠の種類ごとにそれぞれのもつ美しさを紹介します。

●第3章 養殖真珠の広がり●
明治時代に入り養殖真珠が生産されるようになると、宝飾品にも養殖真珠が用いられるようになりました。技術の発展により、真珠の大きさや色、形に統一性が見られるようになり、養殖真珠の特質を生かしたより自由なデザインのジュエリーも作られるようになってきました。この章では養殖真珠を用いて製作された工芸品やジュエリーを紹介します。

●エピローグ 真珠を育む海、真珠を育む人●
養殖真珠は、海と貝と人の手によって創りあげられている宝石です。真珠を育む三重の海、海に抱かれる貝から作り出される真珠、そして貝が元気に育つ環境をつくる人について紹介します。