山形県鶴岡市に生まれた精神科医の高橋龍太郎氏は、1990年代より日本の若手作家を中心に現代美術のコレクションを本格的に開始します。新たな作家の発掘や作品の再評価を精力的に行ない、3,000点を超えるそのコレクションは、日本を代表する現代美術コレクションとして知られています。本展では、高橋龍太郎氏のコレクションのルーツとなる作品をはじめ、2000年以降の社会を反映するように拡張しつづける日本の現代美術の現在(いま)を約70点で紹介します。
「カンヴァスの同伴者たち」というタイトルには、アーティスト、コレクター、キュレーター、そしてわたしたちすべてがアートの同伴者であるという高橋氏の思いが込められています。またそれは同時代の美術を射る高橋龍太郎氏の姿そのものといえるでしょう。1964年に開館した山形美術館は、地域に根ざす美術館活動を重ね、本年で60年を迎えます。時代を写し、わたしたちとともにあるアートとの出会いを、山形でお楽しみください。

【展示構成と出品作家】

「高橋龍太郎コレクションのルーツ」
草間彌生、合田佐和子、奈良美智、村上隆、会田誠、山口晃、池田学

「象をうつす」
大谷有花、武田鉄平、衣川明子、谷保玲奈、川内理香子、佐藤未希、友沢こたお

「キャラクターイメージの遍(偏)在」
梅沢和木、小林健太、浦川大志、名もなき実昌

「余白をみる 書、カリグラフィ、グラフィティ」
井上有一、操上和美、李禹煥、関根伸夫、華雪、鈴木ヒラク、村山悟郎、大山エンリコイサム、やんツー、BIEN

「ヴァナキュラー 東北から生まれる」
鴻池朋子、金子富之、志賀理江子、土井沙織、近藤亜樹、久松知子

「メディウムと色、形」
春木麻衣子、今井俊介、青木豊、水戸部七絵

「絵画と陶 拡張するアート」
岡﨑乾二郎、奈良美智、見附正康、桑田卓郎、西ノ宮佳代、梅津庸一、川井雄仁、松下徹、坂本紬野子