久留米市美術館では、青木繁や坂本繁二郎を育んだ久留米および筑後の地にゆかりのある作家を紹介する「ちくご ist」シリーズの第 1 回として「ちくご ist 尾花成春」を開催します。
尾花成春(1926-2016 おばな・しげはる)は現在のうきは市に生まれ、戦後は福岡の前衛美術集団「九州派」の一員としての活躍や、15 年以上も描き続けた筑後川シリーズなどで知られていますが、その前後の作品については、これまで取り上げられる機会がほとんどありませんでした。
本展は、約 100 点の作品と資料を 6 章で構成し、尾花の画業を展望します。セザンヌに影響を受けた理知的な画面構成、砂や漆喰などを混ぜて生々しい物質感を強調した画肌など、常に新たな可能性を求めた画業を紹介する初めての展覧会です。ひたすら郷里で制作することにこだわった画家・尾花成春をより広く知っていただく機会となれば幸いに存じます。