4階展示室にて開催する「山王美術館コレクションでつづる 印象派展」によせて、3階展示室ではコレクションの中より洋画作品を中心にご紹介いたします。
欧化を推進する明治政府のもと西洋の美術・思想が本格的に流入し、19世紀後半以降には、直接西欧で絵画を学んだ画家たちや、『白樺』などの文芸雑誌を通じて、印象派・ポスト印象派がわが国にもたらされました。若い画家たちは、印象派の絵画を通じて芸術家自身の主観や個性の重要性を認識するとともに、表現や技法を積極的に試み自己の作品へと取り入れていきました。
本展では、外光派の黒田清輝、藤島武二、戸外制作を重視した金山平三、向井潤吉、荻須高徳、ドガに私淑した小磯良平、印象主義的な技法の影響がうかがえる佐伯祐三、安井曾太郎、さらに点描様式にいたった岡鹿之助らの絵画を中心に展覧いたします。