神輿は全国各地の祭りで見ることができます。
威勢の良いかけ声とともに地域を渡御する神輿が、夏など特定の季節を感じさせる光景となっている地域もあるでしょう。神輿を用いた祭礼は平安時代の中頃に成立し、その後、各地に普及していきました。全国各地で行われている祭礼は、地域の環境や歴史を反映しながら形成されていったといえ、それは地域の人々によって伝承されてきた証拠であるともいえます。神と人とをつなぐものである祭りには、人と人とをつなぐ力もあります。神輿は、その象徴ととらえることもできるでしょう。疫病や自然災害などにより、人と人との関係や地域が危機に陥った時、祭りの持つ力が、そこからの回復・復興に役立つこともありました。
 本展示では、國學院大學が所蔵する祭礼を描いた屏風、絵巻、刷り物などから「神輿とは何か?」を紐解き、さらに「祭りの力」についても考えていきます。

※本展示では、鳳輦を含め、神霊が乗る輿こし等を「神輿」と称しています。

●展示紹介動画を「オンラインミュージアム」で7月20日(土)正午より配信予定!