荒井寿一コレクションは、川瀬巴水の初期作から晩年作までの版画作品に加え、本の装幀、挿絵や絵はがきなどのグラフィックデザインが含まれる充実したコレクションです。
川瀬巴水(1883~1957)は大正・昭和にかけて活躍した版画家です。巴水は27歳で日本画家・鏑木清方へ入門し、35歳の時、同門の伊藤深水による「近江八景」に感銘を受け、木版画制作を始めました。そして、版元・渡邊庄三郎のもとで版画家としてデビューします。その版画は伝統的な木版画技術の復興を目指し、「新版画」と呼ばれました。生涯にわたって日本全国を旅し、訪れた地の風景や四季折々の風景を描き、新版画の代表的な画家として世界的に高い評価を受けています。
本展では、荒井寿一コレクションを中心に、愛知県美術館所蔵の川瀬巴水コレクションを交えながら、約250点の資料より「旅情詩人」とも称された巴水の生涯と画業を辿ります。

10/5(土)13:30~ 荒井寿一氏によるギャラリートークを開催します。

また同時開催「風景を描く-日本画家たちが見た風景-」もご覧いただけます。