東京画廊+BTAPは8月24日(土)より、崔明永展を開催致します。日本国内では24年ぶりの個展となります。

崔明永(チェ・ミョンヨン)は1941年に韓国の黄海道海州に生まれ、1964年に弘益大学校美術大学絵画科を卒業、現在はソウルで作品制作を行います。1950-60年代の韓国美術界はソウル画壇を中心に感覚や感情の表現を重視するアンフォルメルが主流となりました。しかしそれに続く世代はソウル画壇を離れ新しい芸術を模索します。弘益大学の学生であった崔も、徐承元(Suh SeungWon)や李承作(Lee SeungJo)と共に「オリジン(Origin)」を結成し、論理と理性を旗印に幾何学的抽象絵画を追求します。その後、韓国アバンギャルド協会A.Gの創立メンバーとして活躍し、1967年のパリビエンナーレ、1969年のサンパウロビエンナーレには新進作家として参加しています。

1970年代以降、崔は絵画の本質的な平面性に着目し、平面の可能性を探求する抽象絵画を制作し始めます。それ以来、崔は「Conditional Planes平面条件」というタイトルで今日まで制作を続けています。物質性と精神性の関係に注目する韓国の単色画と基盤を共有しつつも、崔明永という作家の特徴は、キャンバスの平面を強調し、原色で描かれた幾何学的な線と形を用いる点にあります。初期の崔の作品は指紋や紙やすりを用いてキャンバスに痕跡を残す作業から始まります。その後、ローラーを利用したり、絵の具を重ねて塗ることによって、分厚い画面の作品が創作されることになります。1980年以後は、垂直線と水平線を繰り返し描き、キャンバスの表面を埋めて行く作品を2000年頃まで制作します。

本展では、80年代以降の作品を新作4点を含め約10点を展示いたします。8月24日(土)、16時より、来日中のアーティストを囲んでのレセプションを開催致します。