NOKOGIRIギャラリー「のこぎり」は、「のこぎりここまで / The Short Stories of NOKOGIRI」を開催する。本展は「のこぎり」で過去に作品展を開催した陶芸アーチスト5名を集めて紹介する初のグループ展である。

陶芸という表現は、太古の昔から、空想と現実、実用と無用、人間と動物、表面と内臓、それらを飛び越える手段として活用されてきた。人は生まれながらに、その体の中に全ての歴史と宇宙を内包している。しかしあらゆる記憶がそうであるように、それらは頭の中の空想と結びついて血液に溶け込み、筋肉を動かし指先から出力されることで形になる。陶芸という表現は、土を捏ねるという物理的な体の行為と時間の経過を経ることで、発酵し、ドロドロとしたものが形として固まってくる現象なのだ。

マリアンヌが言うように、陶芸における作品づくりとは、いらいらするような待ち時間との戦いであるとするなら、本展は現代を生きる女性たちの忍耐の結果を追体験する作品展でもある。待つことがなければ、得られる形はなく、形が見えなければ、それは実在しない。現代の5人の巫女が呼び寄せた、あまりに多様な実在する形の饗宴。階段を上ってドアを開ければ、そこはあなたの時間だ。

※近接する「TONKACHI,6」においてはリサ・ラーソンをはじめ所属アーチストの作品やお買い求めやすいグッズも取り揃えています。ぜひお立ち寄りください。