日本古来の山桜・里桜の保護育成に生涯をかけた笹部新太郎氏は、自身が有する山林「亦楽山荘」(兵庫県宝塚市武田尾)で桜の研究を行っていました。桜に関する総合的な研究を行う場に留まらず、時に文化人との交流の場、時に戦時中の生活を支える場となり、笹部氏の生活に不可欠な存在であり続けました。また、几帳面な笹部氏は亦楽山荘に通う度に作業記録を残しており、その数は手帳・ノートを合わせて50冊以上にものぼります。
今回の展示では、笹部氏の桜研究と不可分な存在である亦楽山荘について、初めての試みとして『亦楽山荘記録』を全冊展示し、どのように整備され、活動の中心であり続けたのかを振り返ります。