武者小路実篤が生きた時代、明治末から昭和40(1965)年頃まで、大衆娯楽の中心は映画でした。実篤の文学作品も、昭和4(1929)年から46(1971)年にかけて映画化され、「結婚悲劇」「ある父」「幸福な家族(戦前版)」「金色夜叉(尾崎紅葉原作・実篤脚色)」「その妹」「幸福な家族(戦後版)」「世界を賭ける恋(原作「愛と死」)」「いのちの朝(原作「暁」)」「愛と死(原作「愛と死」「友情」)」の9本が制作・公開されました。

 本展では、実篤の文学作品が原作となった9つの映画について、当時のポスターやチラシ、スチル写真などで紹介するとともに、原稿や掲載誌、映画の台本などでストーリーをたどり、また雑誌記事などからこれらの映画がどのように評価されたかも振り返ります。

 このほか、画家・木村荘八や、黒澤明監督映画ほか多くのヒット作のある脚本家・小国英雄ら、実篤と親交があり映画制作に携わった人々、また長く調布に暮らした映画美術の巨匠・木村威夫の資料など、映画にまつわる資料も紹介します。

関連イベント
●武者小路実篤原作 日活映画「世界を賭ける恋」上映会
「愛と死」を原作に、戦後の日活の製作再開記念として主演に2人のスターを迎え、ヨーロッパロケを敢行し、当時まだ珍しかった総天然色(カラー)で制作された本作を上映します。

3月8日(土) 13:30~(本編104分、解説10分)
出演:石原裕次郎、浅丘ルリ子
参加費:無料
会場:調布市文化会館たづくり8階映像シアター
定員:100名
要申込み