いわさきちひろが残した60冊以上にのぼるアルバムがあります。そこには、生後57日目から晩年までのちひろの姿や、自ら撮影した旅先の風景、家族との暮らしなどの写真が収められています。三姉妹の長女として生まれ、妻としても、母としても、懸命に生きたひとりの画家の人生が記録されています。
ちひろ美術館ではすべての写真のデジタルデータ化に取り組み、2024年、研究成果を形にした「いわさきちひろ 写真資料目録」を刊行しました。アルバムの写真とともに絵を見ると、ちひろにとって、日々の暮らしと作品が密接に関わっていたことがわかります。
本展では、一人息子をモデルにした絵本『ひとりでできるよ』や、ちひろ自身の姿とも重なる絵本『あかちゃんのくるひ』などの作品を写真とともに展示し、ちひろの創作の源をさぐります。