本特集展示で紹介する資料は、幕末には江戸町奉行配下の同心をつとめ、維新後は神官として各地の神社に勤務した国学者・神道家秋山光條(てるえ)(1843~1902)が残したものです。文書・書籍・書画などからなり、父祖の代からの町奉行所関係文書のほか、光條が前田夏蔭・平田銕胤に師事したことから、国学・神道関係が多いのが特徴で、また交友関係があった国学者・歌人などから送られた書簡も少なくありません。明治維新の前後で大きく変わった旧幕臣の生き方を、その具体的な足跡からたどっていきます。秋山光條関係資料は最近になって歴博に寄贈されたものであり、そのお披露目の機会でもあります。