古今東西を問わず、自然界の気象の変化を表現することは、美術とくに絵画の分野において様々なこころみがなされてきました。東洋では、中国で発明された筆や墨の効果を使うことで、光や大気の変化、風や雨、雲といった自然現象をみごとに表しました。文人等が隠遁の理想を託し、茫洋とした雲霞のながれる深山幽谷を描いた山水画、風霜に耐える植物に、人の姿を重ねた花卉画など、描かれる文脈も様々です。

本展観では、中国、朝鮮半島、日本における絵画作品を通して、絶え間なく移り変わる気象が、東アジアにおいてどのように表現されてきたかをご覧いただきます。