東洋と西洋を結ぶシルクロードは、地球の四分の一周にも及ぶ壮大な「旅路」です。古代から交易の路として栄え、各地で多様な民族が興亡し、多彩な文化が花開いてきました。人と物が、時には命をかけて草原や砂漠、雪山を越えてこの路を行き交い、駱駝の背にゆられて運ばれた文物は、遥か遠くの奈良へももたらされています。本展覧会では、洛陽、西安、蘭州、敦煌、新疆地域などの要衝で発見された、シルクロードの遺宝を紹介いたします。ペルシャの香り漂う文物や、東西文明が融合して生まれた絵画に金銀細工の宝飾品、インドから東漸した仏教文化の至宝など、シルクロード文化の精華は、あらためて人類の英知と限りない可能性を感じさせてくれることでしょう。とくに今回は、遣唐使など日本との縁が深い唐時代を中心とした名品を紹介するとともに、2014年に世界遺産に登録された遺跡の遺品も展示いたします。[美術館サイトより]