本展では、彫刻家の山田千晶が作り出す、温かな生き物の世界を旅します。塑造や漆芸の様々な技法を組み合わせて生み出される彫刻作品は、仕上げに色錆という技法を用いるため、やわらかな質感に仕上がるのです。マットな部分と艶のある部分との対比によって命を宿しているような温かく優しい雰囲気をまとっています。雨のあとに見られるうっすらとした虹のように、遠くの空で聞こえる花火の音のように詩情あふれる展覧会です。