現在の和歌山市に生まれた日本画家、下村観山(しもむら・かんざん/1873‒1930)の回顧展を開催します。
下村家は江戸時代を通じて紀伊徳川家に仕えた能楽師の家系です。8歳で上京した観山は、狩野芳崖、そして橋本雅邦に師事し、さらに第一期生として入学した東京美術学校では、校長・岡倉天心の指導を受け、画家の道を進みました。卒業後、母校で指導に当たりますが、天心の辞職に従って同校を去り、天心による日本美術院の創立に、横山大観、菱田春草らと参画します。...
生誕地である和歌山、そして広く西日本でも45年ぶりの回顧展となる本展は、2部構成でその画業に迫ります。第1部では代表作を一堂に会し、その生涯と芸術をたどります。続く第2部では、日本、中国の古画研究や自身のルーツである能を主題とした制作、さらに渋沢栄一など政財界人との交流といった社会的な側面にも光を当てます。
生涯、芸術、社会という3つの視点からその仕事を紐解くことは、観山が生きた日本の近代という時代の諸相を明らかにすることにもつながるでしょう。[美術館サイトより]