イタリア・ミラノで生まれたブルーノ・ムナーリ(1907-1998)は、アーティスト、デザイナー、子どものための造形教育者など、さまざまな肩書きで知られています。
本展では、1985年にこどもの城で自身の個展開催のためにムナーリが来日して以来、親交を重ねていた日本ブルーノ・ムナーリ研究会のコレクションを中心に、彼の仕事を五つのテーマで展示するとともに、ムナーリによるこども向け遊具を手に取れるコーナーや、実際に体験できるワークショップの実施などを行います。

ブルーノ・ムナーリ(1907-1998年)
ミラノ生まれ。20代の際にマリネッティやプランポリーニ、未来派第二世代の作家たちと知り合い、未来派展に参加。作家活動と並行して、雑誌イラストの仕事を請け負う。1933年には、天井から吊るすモビール状の作品《役に立たない機械》を発表。機能性と芸術性をどのように両立させるかや、人間と機械のあり方を探求する一方、グラフィックの仕事も並行して展開した。1945年からは、息子のために絵本を作り始める。やがては、絵本も多数出版され、なかには、日本語に翻訳されたものもある。また、こどもの教育プログラムも考案し、世界各国に紹介して回るなかで1985年には来日し、こども向けのワークショップなどを実施。90歳でミラノに没するも、ムナーリの意志を継いだ人々によって、教育プログラムは現在もさまざまな形で受け継がれている。