水野暁は群馬県の東吾妻町に生まれ、現在も同地を拠点に活動を続ける画家です。
当館では2014年、開館40周年を記念するグループ展「1974年に生まれて」においてそれまでの代表作を展示し、大きな反響を呼びました。今回の個展では、それ以降の10年間に制作された大作を中心に、近年の水野の展開をお見せします。
水野は3年から4年をかけて対象と向き合い、季節の移り変わりや年月の経過を一枚の画面に凝縮させます。この3年間は、榛名湖アーティスト・レジデンスにおいて榛名湖の水面をモチーフとした150号の絵画を描き続けており、本展ではその未完の作品を初公開する予定です。
焦点や解像度を変えて対象を見つめ続ける水野の視覚が絵具の層となって画面に積み重なり、写実を超えたリアルな存在として私たちの前に現れます。