10代藩主・徳川治宝(1771~1852)は芸術を好み、積極的に振興をはかりました。そのため、治宝やその周辺の人々の依頼を受けてつくられた絵画や、工芸品、彫刻など様々な資料がのこされています。また治宝は社寺への寄進を行い、有職故実を学ぶために絵巻の模写をさせるなど、先人から受け継がれた文物に敬意を払い、保護や継承にも取り組みました。
 この特別展では、初公開のものを含めた県内の社寺にある資料や、他府県の博物館施設等から借用した貴重な資料を展示し、18世紀末から19世紀前半にかけて治宝を通して展開された、紀州の豊かな文化を紹介します。また会期中には、イベントも多数開催いたします。