宝船は、縁起の良い初夢を願って枕の下に敷いた船の図です。船には、豊作を願う稲穂や米俵、七福神、打出の小槌など宝尽しを満載し、年の初めに見る夢を吉夢にしたい願いがこめられました。江戸時代には縁起物として社寺で授与され、宝船売りが町中を売り歩きました。近代になると宝船の風習は廃れていきますが、大正時代にこの風習が紹介されたことをきっかけに復興します。寺社以外でも趣味人と呼ばれたコレクターたちを中心に趣向を凝らした宝船が作られました。宝船は“吉夢を願い枕の下に敷く”ことから収集するものへと変わり、大正から昭和初期にかけて頒布イベントや交換会も盛んに行われました。
この展示では、吉夢を見て良い年にしたいといった人々の希望が託された宝船の風習をご紹介するとともに、大正から昭和初期にかけてコレクターアイテムとして流行した宝船をご紹介いたします。宝物満載の宝船やシャレの利いた宝船を見て、ツキを呼び込んでください。
学芸員によるミュージアムトーク:1/10(土) 14時~(予約不要)