日本古来の山桜・里桜の保護育成研究に生涯を捧げた笹部新太郎(1887-1978)氏が活動した時代は、日本が戦争を行っていた激動の時代とも重なります。70代で神戸市岡本に転居するまでは、生まれ育った大阪の街から武田尾(兵庫県宝塚市)にある演習林「亦楽山荘」へ足繁く通い、桜の研究を続けました。迫りくる戦禍に山での作業や生活を脅かされながらも、決して歩みを止めることなく続けた活動は、戦後の桜事業の糧となり花開きました。一方で、残念ながら失われてしまった桜も少なからず存在します。今回は笹部氏が遺した自筆記録を中心に、戦前・戦中・戦後の桜への取り組みをご紹介します。
学芸員によるミュージアムトーク:12/13(土) 14時~(予約不要)