戦国時代に日本へ伝来したキリスト教は、江戸時代の禁教期を経て、明治以降の近代化のなかで再び受容され、日本の美術に多様な影響を及ぼしてきました。聖書の物語や祈りの感情が、信仰者のみならず多くの芸術家の創作に息づくようになります。さらに、大正期を中心にキリシタン時代への関心が高まり、禁教下における信仰、弾圧、そして殉教といった、日本独自のキリスト教史を主題とする作品も生まれました。
本展では、正教徒の山下りんによる聖像画(イコン)をはじめ、クリスチャンとして知られる青木繁や小磯良平らの洋画、舟越保武らの彫刻、長谷川路可や定方塊石らによる日本画、さらには竹久夢二や坂田一男など岡山ゆかりのキリスト者による作品もあわせて紹介します。信仰に根ざした表現、キリスト教精神への共鳴、そして歴史へのまなざしが織りなす作品群を通して、近現代日本美術史におけるキリスト教の文化的意義を見つめ直します。 [美術館サイトより]
前期:01月09日(金)~02月01日(日)
後期:02月03日(火)~03月01日(日)