『Liaisons Imaginaires (リエゾン・イマジネール-想像の連結)』は日仏のふたりの際立つ才能-矢柳剛(1933–2025)とファビアン・ヴェルシェール(1975年パリ生まれ)-をひとつの展覧会で展覧し、結びつき、変容、共通する人間性などの側面から想像力を巡らそうとするもの。世代・地理・文化は異なれど、内的ヴィジョンと集合的な物語性が絡み合う、拡張する視覚世界をふたりは構築している。

ほぼ70年にわたり矢柳剛はコスモポリタン的な生活と自然への深い感応によって培われた実践を発展させてきた。ブラジル、アフリカ、パリで職業生活を送りながら、国際的なアヴァンギャルドの潮流と土着の美学とを同化させた日本人アーティストの先駆者のひとりであった。彼の比類ない芸術的話法-鮮烈な色面、生物学的な形態、リズミカルな黒と白の線描に特徴づけら、れるーは、「ポップ・ウキ」という彼自身による造語に集約され、グローバルなモダニズムと個人的な象徴主義の詩的な融合を表している。矢柳の作品は、日本、フランス、ブラジルなどの主要美術館にコレクションとして収蔵されている。

ファビアン・ヴェルシェールはパリ国立高等美術学校出身。私的な神話と共有された文化的記憶のもとに、没入型の夢見るような宇宙を創りあげる。絵画、デッサン、フィルム、インスタレーション、と横断的に制作しつつ、自らの物語性を幻想的なハイブリッドな生物で満たし、そこに中世の寓話やポップカルチャー、情緒的内省などを織り込んでいく。彼の作品はヨーロッパおよびアジアでの数々のプロジェクトおよび代表的な機関で広く展示され、そこにはパレ・ド・トーキョー、グラン・パレ、サン・エチエンヌ市立近代美術館なども含まれる。

矢柳の生態的で万華鏡的なヴィジョンと、ヴェルシェールの内省的で濃厚な神話に彩られた世界との対話は、予期せぬ相互感応を引きおこす。今展『Liaisons Imaginaires』は想像力そのものを境界、世代、芸術言語を超えたひとつの架け橋とし、日仏間の文化交流の永続的な活力となることを目指している。

2025年に逝去された矢柳剛先生の没後初めての展覧会として、『Liaisons Imaginaires』は彼の長きにわたる多方面での功績を回顧する機会を兼ねます。