“もよう”はなぜ存在するのでしょう。
「シンプルイズベスト」とか「ないほうがモダン」などといわれても、もようは決してなくなりません。目と心を捉えてやまない何かがもようにはあります。
もように日本的な美意識が見られるようになったのは唐風から和様に転じた平安期以降といわれています。そこから今にいたるまで、もようの世界は百花繚乱。丸や菱形に動植物の姿かたちを素敵におさめたかと思えば、降りしきる雨や雪、ゆらめきのぼる蒸気をもようフィルターにかけて眺めたり。花鳥風月に身の回りの品々、化学変化の跡だって、もようとならないものはただのひとつもない。そのどれにも、いつか・誰かの「好き」や「いいね」が宿り、そんなわくわく気分が、もように目を留めた私たちの元にも届けられているようです。
本展は工芸ビギナーから愛好家まで満喫できる近・現代工芸の名品約140 点で構成。
1974 年『紋文帖もんもんちょう』の裏表紙でこっそり「悶々」いいながら、生涯をこの仕事に捧げたもよう作りの天才・芹沢銈介の特集展示も同時開催。小さな下絵から代表作の屏風まで、どのフェーズも見逃せない約20 点を展観します。