本展は、2024 年に井内コレクションより当館に寄託された北斎の『冨嶽三十六景』(1830‒33年頃)を初披露する展覧会です。本シリーズ全46図を一挙に公開するとともに、特に高い人気を誇る2図については、それぞれ異なる摺りが1点ずつ加わります。追加されるのは、現存作の中でも際立って摺りと保存状態に優れた「神奈川沖浪裏」と、“赤富士”として知られる「凱風快晴」の希少な色変わり版、通称“青富士”の2点です。本展ではこれら合計48点を、十文字学園女子大学教授・樋口一貴氏の監修のもと、本シリーズの版下絵が描かれた順序を辿る6つのグループに分けて展示します。西洋美術を専門とする当館で北斎の代表作をご覧いただくことで、彼の作品が西洋近代の芸術家たちを惹きつけた歴史に思いを馳せつつ、その魅力を再発見していただく機会となれば幸いです。
また本展では、3点の作品を表裏両面から鑑賞できる展示方法を採用します。江戸の人々が浮世絵版画を手に取り、表や裏を返しながら楽しんだ感覚を、ぜひ追体験していただければと思います。[美術館サイトより]