椿はこれまで、巨⼤⽣命体を通して環境破壊や格差拡⼤といった社会の諸問題を探究してきました。現代を⽣きる私たちは、こうした問題を⽇々のニュースやSNSなどを通して、無数のイメージ(像)(ゾウ)と共に⾒聞きします。しかし、それらについて深く考え、他者と意⾒を交わす機会は、果たしてどれほどあるのでしょうか。
英語で「ザ‧エレファント‧イン‧ザ‧ルーム」という慣⽤句があります。⼤きく扱いにくい問題や、タブー視されてきた事実など、誰もが気づいていながら、あえて話題にすることを避けてしまう状況を指します。それは⼀⾒、克服すべき課題のようにも⾒えますが、こうした不合理で曖昧な習慣や規範によって、私たちの社会の秩序が保たれている側⾯があることもまた事実です。では、この同調圧⼒が不可避な社会のなかで、⾃由であること(フリーダム)とはどういうことなのでしょうか。
本展は、制作活動40年を超える椿昇が本展のために新たに制作する地上最⼤の哺乳類「ゾウ」を中⼼に、実態を⾒て⾒ぬふりをしがちな私たちの⽇常の⾏為や思考のあり⽅を問い直します。[美術館サイトより]